損益分岐点計算ツールの使い方
- 固定費:家賃、人件費、リース料、保険料、通信費など、売上がゼロでもかかる費用です。1か月分、1年分など期間をそろえて入れます。
- 販売単価:1個(1人、1件)あたりの税抜の売価です。
- 変動費:仕入れ原価や材料費、送料、決済手数料など、売上に比例して増える費用です。
- 目標利益(任意):固定費と同じ期間で、出したい利益を入れます。
損益分岐点の計算式
1個売るごとに、販売単価から変動費を引いた限界利益が残ります。この限界利益の合計で固定費をちょうどまかなえる点が損益分岐点です。
損益分岐点の販売数量 = 固定費 ÷(販売単価 − 1個あたりの変動費)
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 限界利益率(限界利益率 = 限界利益 ÷ 売上高)
目標利益を出したい場合は、固定費に目標利益を足して同じ計算をします。
計算例:月の固定費120万円のお店
固定費が月120万円、販売単価2,500円、変動費1,000円なら、1個あたりの限界利益は1,500円、限界利益率は60%です。損益分岐点の販売数量は120万円 ÷ 1,500円 = 800個、損益分岐点売上高は120万円 ÷ 0.6 = 200万円です。801個目からが利益になります。
条件を少し変えると、損益分岐点は次のように動きます。
| 条件 | 1個あたりの限界利益 | 損益分岐点の販売数量 | 損益分岐点売上高 |
|---|---|---|---|
| 現状 | 1,500円 | 800個 | 200万円 |
| 単価を2,700円に値上げ | 1,700円 | 706個 | 191万円 |
| 変動費を900円に削減 | 1,600円 | 750個 | 188万円 |
| 固定費を1割削減(108万円) | 1,500円 | 720個 | 180万円 |
200円の値上げは、固定費を1割減らすよりも損益分岐点を大きく下げます。ただし値上げで販売数量が減ることもあるので、両方の影響を考えましょう。
安全余裕率で余力を知る
実際の売上が損益分岐点をどれだけ上回っているかを示すのが安全余裕率((実際の売上高 − 損益分岐点売上高)÷ 実際の売上高)です。上の例で月の売上が250万円なら、安全余裕率は20%で、売上が2割減っても赤字にはなりません。反対に、売上高に対する損益分岐点売上高の割合を損益分岐点比率といい、低いほど不況に強い体質といえます。
固定費と変動費の分け方
- 固定費の例:家賃、正社員の給与、減価償却費、リース料、保険料、広告の固定契約料
- 変動費の例:仕入れ原価、材料費、外注費、配送料、クレジットカードの決済手数料、販売手数料
- どちらとも言えない費用:アルバイトの人件費や水道光熱費は、売上に応じて増える部分を変動費、基本料金などを固定費と考えると精度が上がります。
1個あたりの粗利の考え方は利益率計算でも確認できます。
ご注意:計算結果は情報提供を目的とした概算で、金融商品の勧誘や助言ではありません。実際の金額は契約条件、手数料、保証料、金利の変動、端数処理などによって変わります。お申し込みの前に、金融機関の書面で数字を確認するか、ファイナンシャルプランナーなどの専門家にご相談ください。
よくある質問
損益分岐点売上高はどう求めますか?
固定費を限界利益率で割って求めます。固定費120万円、限界利益率60%なら、120万円 ÷ 0.6 = 200万円です。販売単価と変動費がわかれば、限界利益率は(単価 − 変動費)÷ 単価で計算できます。
損益分岐点を下げるにはどうすればよいですか?
方法は3つです。固定費を減らす、変動費を減らす、販売単価を上げる。いずれも1個あたりの限界利益を増やすか、まかなうべき固定費を減らすことで、黒字になるのに必要な販売数量が少なくなります。
複数の商品を扱っている場合は?
商品ごとの単価と変動費の代わりに、店全体の平均客単価と平均変動費を使うか、売上高と変動費の合計から限界利益率を出して、固定費 ÷ 限界利益率で損益分岐点売上高を計算します。
金額は税込と税抜のどちらで入れますか?
税抜で入れるのが基本です。消費税は預かって納める税金なので、売上にも費用にも含めずに計算すると、実際の利益に近い数字になります。
最終更新日:2026年10月8日