受精日計算ツールの使い方
- 計算のもとにする日を選びます。いちばん多いのは、母子健康手帳に書かれた出産予定日からの逆算です。最終月経の開始日、妊婦健診でエコー検査(超音波検査)を受けた日とそのときの妊娠週数、すでに生まれた赤ちゃんなら誕生日と出生時の妊娠週数からも計算できます。
- 日付を入れます。方法に応じて、月経周期や妊娠週数(〇週〇日)も入力します。
- 結果を確認します。最も可能性が高い受精日、妊娠につながった性交の時期の目安、誤差を含めた受精日の幅、出産予定日が表示されます。妊娠中なら、今日の妊娠週数も「16週4日」のように表示されます。
受精日の計算方法
妊娠週数は、最終月経が始まった日を「妊娠0週0日」として数えます。実際に受精するのはその約2週間後で、月経周期が28日の人なら排卵が起こる14日目ごろ、つまり「妊娠2週0日」のころです。出産予定日は最終月経の開始日から280日後(妊娠40週0日)なので、受精日は出産予定日のおよそ266日前(38週前)になります。
| もとにする日 | 最も可能性が高い受精日 |
|---|---|
| 出産予定日 | 出産予定日 − 266日 |
| 最終月経開始日 | 開始日 +(月経周期 − 14)日 |
| エコー検査 | 検査日 − 検査時の妊娠週数 + 14日 |
| 誕生日 | 誕生日 − 出生時の妊娠週数 + 14日 |
月経周期の長さも大切です。排卵から次の生理までの期間(黄体期)は比較的一定で約14日のため、周期が32日の人は18日目ごろ、25日の人は11日目ごろに排卵したと考えます。誕生日から計算するときに出生時の妊娠週数が必要なのは、予定日ちょうどに生まれる赤ちゃんが少ないためです。同じ日に生まれても、37週0日で生まれた子は、40週0日で生まれた子より約3週間あとに受精したことになります。
計算例
出産予定日が2026年10月8日の場合、266日さかのぼった2026年1月15日が最も可能性が高い受精日です。280日さかのぼると、最終月経の開始日は1月1日と推定されます。妊娠につながった性交の時期は1月10日〜16日ごろ。予定日そのものの誤差(±7日)を含めると、受精日は1月8日〜22日のどこかと考えられます。同じく最終月経が1月1日でも、月経周期が32日なら受精日は1月19日ごろ、出産予定日は10月12日になります。
受精のタイミングと性交日の関係
受精(精子と卵子が出会って受精卵になること)が起こるのは、排卵後およそ12〜24時間、卵子が生きている間だけです。一方、精子は女性の体内で最大5日ほど生きられます。1995年にNew England Journal of Medicineに掲載されたウィルコックスらの研究では、妊娠は排卵日を最終日とする6日間の性交から成立していました。そのため受精日の5日前の性交でも妊娠することがあり、このツールでは「受精日の5日前から翌日まで」を性交の時期の目安として表示しています。なお、受精卵が子宮内膜に着床するのは受精から1週間前後のことで、受精日と着床日は別の日です。
計算の精度について
結果の精度は、もとにする日付の正確さで決まります。排卵日は周期が規則的な人でも毎回同じ日とは限らず、ストレスや体調、授乳、ピルの服用をやめた直後などでずれます。日本では、妊娠初期(8〜11週ごろ)の超音波検査で赤ちゃんの頭からおしりまでの長さ(頭殿長、CRL)を測り、最終月経から計算した予定日とのずれが大きければ出産予定日を修正するのが一般的です。予定日が修正されたら、修正後の予定日で計算してください。エコー検査から計算する場合は、アメリカ産婦人科学会(ACOG)が示す、妊娠週数ごとの超音波検査による推定の誤差を幅として使っています。
| 検査時の妊娠週数 | 誤差の幅 |
|---|---|
| 8週6日まで | ±5日 |
| 9週0日〜15週6日 | ±7日 |
| 16週0日〜21週6日 | ±10日 |
| 22週0日〜27週6日 | ±14日 |
| 28週0日以降 | ±21日 |
出産予定日・最終月経・誕生日から計算する場合は、妊娠初期の誤差にあたる±7日を幅にしています。多くの予定日は早い時期のエコー検査で確認されているためです。体外受精(IVF)の場合、受精日は推定ではなく、採卵した卵子を体外で受精させた日そのものです。
受精日から父親はわかりますか?
わかりません。計算で求めた受精日は、父親を特定する根拠にはなりません。2人の相手との性交が1〜2週間しか離れていない場合、日付だけでどちらかを見分けることはできません。性交の時期の目安だけでも約1週間の幅があり、排卵日は周期ごとに変わり、予定日の推定にもさらに数日の誤差があるためです。目安の期間から外れた日の性交でも、可能性を否定することはできません。父親を確実に知る方法は、DNAによる親子鑑定だけです。検査の方法や時期については、医師や専門の機関に相談してください。
医師に相談したいとき
妊娠中は、このツールの結果よりも、妊婦健診で医師が決めた出産予定日が優先されます。妊娠がわかったら早めに産婦人科を受診し、多量の出血や強い腹痛があるときはすぐに医療機関に連絡してください。受精日から先の予定を知りたいときは出産予定日計算、これから妊娠を望む場合は排卵日計算で次の妊娠しやすい期間を確認できます。
ご注意:計算結果は一般的な目安であり、医学的な診断や指導に代わるものではありません。妊娠中の方や妊娠を考えている方は、医師や助産師などの専門家にご相談ください。
参考文献
- American College of Obstetricians and Gynecologists, Methods for Estimating the Due Date(Committee Opinion 700、2025年再確認)
- Wilcox AJ, Weinberg CR, Baird DD. Timing of sexual intercourse in relation to ovulation. N Engl J Med, 1995.
よくある質問
出産予定日から受精日を計算するには?
出産予定日から266日(38週)を引きます。予定日が2026年10月8日なら、受精日は2026年1月15日ごろです。排卵日も予定日も推定なので、前後1週間ほどの幅をみておきましょう。
受精日と性交した日は同じですか?
同じとは限りません。精子は数日間生きられるため、妊娠につながった性交は受精の最大5日ほど前だった可能性があります。結果の「性交の時期(目安)」がその期間です。
受精日から父親を判断できますか?
できません。日付の推定には幅があるため、性交の日が1〜2週間しか離れていない相手を見分けることはできず、カレンダーによる計算で父親を証明する方法はありません。確実にわかるのはDNAによる親子鑑定だけです。
エコー検査からわかる受精日はどのくらい正確ですか?
妊娠初期のエコー検査がもっとも正確で、ACOGによると誤差は5〜7日ほどです。それ以降は精度が下がり、16〜21週では±10日、妊娠後期では最大±21日ほどになります。
自分の誕生日から、いつ受精したのかわかりますか?
「赤ちゃんの誕生日」を選んで自分の誕生日を入れ、わかれば生まれたときの妊娠週数も入れてください。母子健康手帳の出産の記録に書かれていることがあります。予定日ごろに生まれたなら、誕生日の約266日前が目安です。
生理不順でも計算できますか?
最終月経から計算する方法は、次の生理の約14日前に排卵したと仮定しています。周期が不規則だと1週間以上ずれることがあるため、妊娠初期のエコー検査で確認された出産予定日から計算するほうが正確です。
最終更新日:2026年10月19日